サブスクリプションモデルが続々導入されているように、さまざまな業界で課金のスタイルが見直されています。商品やサービスの価格設定だけでなく、「いつ、どうやって対価を得るか」がユーザーの体験を大きく変えます。
そこで大事な視点になるのが「顧客は”本当は”何にお金を払っているのか?」バットを買う人はヒットやホームランをかっ飛ばす体験を、オープンカーを買う人は美女とのドライブを(人によりますが…)にお金を払うのではないか? 今回はそんなお話です。
飲食店求人のジョイントラボ(求人サイト「ペコリッチ」を運営)がリリースした新たな人材紹介サービス「ペコネクト」の課題解決ストーリーがヒントを提供してくれます。
4コマで課題解決ストーリー
1コマで課題解決のヒント
バットやオープンカーの例えと同じく
顧客はモノ自体にお金を払うとは限りません。
顧客の目的と商品・サービスの対価には
往々にしてギャップがあります。
求人サービスの場合、顧客である企業が
いい人材と出会い、
その人を採用することがゴールと考えがちです。
しかし、顧客にとって
それは本当の目的ではありません。
採用した人がすぐ退職した場合、
顧客にとっては何の意味も持たないからです。
採用した人に長く働いて
企業に貢献してもらうことで、
はじめて顧客のメリットが生まれます。
今回のストーリーでは、
「顧客が本当は何にお金を払いたいか」と
「対価が発生するタイミングとポイント」を合わせたところに
アイデアのヒントがあります。
サービス側から見れば、相応のリスク負担は否めません。
しかし、顧客のリスクを低減し、
人材紹介の導入障壁を下げたことは
強い競争力になります。
ジョイントラボの人材紹介「ペコネクト」の今後に注目していきましょう。
課題解決ストーリー詳細
「量」と「質」で採用活動を使い分ける
人材と働き方へのニーズが多様化し、かつてのように企業の都合を優先できる人材だけで、労働力をまかなうことは難しくなった。ジョイントラボは多くの企業が、人材採用のバリエーションを増やすことが重要だと考えている。
現在、採用の主流となっている求人サイトは、ネット上に大量の求人情報が集まり、求職者はその中から条件を絞って検索できる仕組みだ。人材と企業が出会う機会の「量」を担保することができる。
一方で、人材紹介はコーディネーターが人材と企業の相性を判断し、最適なマッチングを提供するサービス。「量」の面では求人サイトに及ばないが、プロの知見を生かし、より「質」の高い出会いが可能になる。人材自身も意識しなかったニーズに気づき、働き方の可能性を広げることもある。
企業は2つを併用しながら、トータルで人材確保することが理想だ。
人材紹介サービスは導入のリスクが大きい
しかし、資金力のない企業にとって人材紹介サービスはあまりにリスクが大きく、利用に踏み切れないのが現実だ。一般に、1人あたりの採用コストが高く、採用した時点でフィーが発生するからだ。採用した人材が早いうちに退職すると、大金がすべてムダになってしまう。
勤務期間に応じた分割システムでリスクを低減
そこで、ジョイントラボは採用した人材の勤務期間に応じてフィーを請求する「〇〇〇〇」を開発した。紹介フィーは1人採用につき30万円。これを、初出勤と15日、45日、75日、105日、135日の6回で勤務状況を確認し、分割で請求する。退職した時点で請求はストップし、以降のフィーを支払う必要はない。
●サービスの特徴
人材紹介の普及が安定と多様性を両立する
人材紹介が普及すれば、求人サイトでは出会えなかった人材と企業の出会う機会が増える。ジョイントラボ代表取締役社長の小森則明氏は「高いフィーと退職のリスクが人材紹介の市場を停滞させています。ボトルネックを解消すれば、企業の安定した人材獲得と、人材の多様な働き方が両方解決します」とコメントしている。