イギリス国王戴冠が少し深くわかる!「王の歴史」を3分解説〜ニュースがハラオチする歴史の話〜

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王位継承など、たびたび世界の注目を集めるイギリス国王や日本の天皇。生まれながらに身分が決まっているなんて、不公平な気も、気の毒な気もします。なぜ「王」は誕生し、何千年も受け継がれているのか?「王の歴史」を3分で解説します。

 

地球人のほとんどすべての民族で、国家が成立するのと同時に、最高権力者として王が出現しています。民主政や共和制が発達したギリシアやローマの都市国家でも、初期には王が存在しました。
農耕が発達すると、食糧生産に余裕ができます。全員が農耕に従事する必要がなくなり、戦士や神官など権力を持つ階級が現れます。そのなかで、もっとも強い者が王となりました。
そんな成り立ちなので、多くの場合、王は農耕と結びついて神格化されます。天照大御神の子孫とされた、日本の天皇はわかりやすい例です。
王は自然を統べる存在であり、その身体の状態がそのまま自然を現すとも考えられました。アフリカなどでは王が老衰したり、病気にかかったときには、「王殺し」も行われました。
こうしてみると、王は支配者であるだけでなく、社会の公器なのだとわかります。
王が超人間的な神だとすれば、「うまれながら」の存在であることが重要です。「KING」は、血族を示す「KIN」から派生した言葉。血統の正統性が重視され、基本的には世襲で王位継承されます。
国王のあり方はさまざまですが、16~18世紀のヨーロッパでは、権力が国王に集中し、絶対王政が行われていました。しかし、英国では17世紀に市民革命が起き、国王の座は残るものの、国政は議会によって行われるように。「国王は君臨すれども統治せず」という立憲君主制です。
今、世界には天皇や大公を含む30人の国王がいます。多くは立憲君主制で、政治的には中立、神格化もされていません。
ただ、他の国と仲良くして平和を保ったり、差別や貧困の解消など普遍的な問題に取り組んだりと、社会的な役割は小さくありません。賛否はさておき、元を正せば王は地球人の社会の発展に不可欠な存在であり、その系譜が現代にも受け継がれたと考えれば、理解できるのではないでしょうか。
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