一歩目の壁をどう越える?〜AEDを活かす共助の仕組みづくり〜

Pocket
LINEで送る

私たちは、非常事態や大きすぎる難題を前にすると、やるべきことがわからず、立ちすくんでしまうことがあります。今回の課題解決ストーリーには、そんな状況を打開するヒントが隠されています。

心肺停止からの「社会復帰率世界一」を目指す取り組みが、吹田市と摂津市の両市にまたがる「北大阪健康医療都市」で行われています。国立循環器病研究センターとフィリップス・ジャパンのIoTを活用したプロジェクトに注目しました。

4コマで課題解決ストーリー

日本AED財団によれば、心停止から電気ショックまでの時間が1分遅れるごとに、救命率は10%ずつ下がります。救急車を待っていては間に合わず、居合わせた人の一秒単位の判断が生命を左右するのです。

AEDを探し出し自ら救命行動を起こすことは、多くの人にとって簡単ではありません。よほどの自信がなければ、「跳べない壁」です。

Heart safe cityプロジェクトでは、SOSボタンを押して、非常事態を近くの人に通知することを救命の第一歩にしました。AEDで救命するという「跳べない壁」の前に、AEDを扱える人に助けを求める「跳べる壁」をひとつ足したのです。

これで誰でも第一歩を踏み出すことができます。自信のない状況であたふたするのに比べ、生命を救うという目的に向かって着実に前進しやすくなります。

日常の仕事や趣味、学びでも、難しすぎる目標やタスクを前に立ちすくんでしまうことがあります。特に0を1にする最初の壁を超えられないと、何の成果も上げられずに終わるリスクがあります。遠回りに思えても、能力に合わせたステップを考えることが重要です。

ニュースリリース要約

心肺停止からの社会復帰率“世界一”の実現を目指すHeart safe cityプロジェクト

国立循環器病研究センターと株式会社フィリップス・ジャパンは2019年7月8日、健都Heart safe cityプロジェクトを開始すると発表した。

「日本における心肺停止からの社会復帰率は必ずしも高くなく、いまだ改善の余地がある」と指摘し、AEDの適正配置、操作方法の理解、さらに居合わせた人が救命のために一歩を踏み出せるか、を課題とする。

1. 行政や自治体、地域企業との体制づくり
個人情報の問題や地域住民の参加促進のため、行政や自治体との協力体制を構築する。大阪府で健都のまちづくりを進める、吹田市、摂津市、市立吹田市民病院、西日本旅客鉄道株式会社、JR西日本不動産開発株式会社、近鉄不動産株式会社、大和ハウス工業株式会社、名鉄不動産株式会社、近鉄住宅管理株式会社、公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン、などの連携体制づくりに取り組む。

2. 国立循環器病研究センターとフィリップスでの連携意義
循環器病の克服を目指して予防、治療、研究等に取り組む国立循環器病研究センターと、ヘルステックカンパニーであるフィリップスが連携する。健都でのまちづくりの取り組みを通じて、当モデルを全国、全世界へ発信へと展開していく。

3. 救命・救急補助スマートフォンアプリ 「MySOS」※と連動するSOSボタン
フィリップスではすでに、IoT技術とアプリの連動により、広範囲の一斉通知を可能としている。大規模イベントの救護体制をはじめ、各組織における自助・共助を強化した体制作りが可能となる。
※MySOSは、株式会社アルムの商標または登録商標

今後は、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)やスポーツなどの来場者の多いマスギャザリングイベントの救護体制に貢献する見通し。また、本プロジェクトで得るノウハウを生かし、心肺停止に関わらず自助・共助が高まるまちづくりを、自治体・行政・関連企業と協創していく。

プレスリリース原文

Pocket
LINEで送る

社会カテゴリの最新記事