6/4天安門事件の日に自由を考える


現代史を大きく転換させた天安門事件が起こってから今年で32年目。毎年6月4日に香港で行われていた追悼集会も行われず、事件は風化してしまうのでしょうか。事件の背景から「表現の自由」とはなにか?を考えてみました。

1.32年めの6月4日に

2.天安門事件とは?

3.百花斉放・百家争鳴

4.表現の自由を考える

1.32年めの6月4日に

天安門事件の記録を伝える香港の「六四記念館」が6月2日、当局の指導で閉館しました。民主派団体が5月30日にリニューアルオープンしたばかりでした。

6月4日は1989年に天安門事件が勃発した日です。閉館の理由は「公衆娯楽場所」の許可証がないとのことですが、2014年の開館以来、同様の指摘を受けたことはなく、朝日新聞デジタルは次のように報じています。

中国ではタブーの事実を展示する内容のため、事件から32年となる4日を前に当局が締め付けを強めたとみられる。

朝日新聞デジタル 2021年6月2日

天安門事件について、中国では厳しい情報統制があるとされ、自由に語ることができません。

これまで一国二制度により、自由を保証されていた香港では、毎年6月4日に天安門事件追悼集会が開催されていました。しかし、2020年は新型コロナ感染防止を理由に禁止。2021年は、当局の取り締まりを警戒した主催者団体が中止を発表しています。

●参考
朝日新聞デジタル 2021年6月2日
https://www.asahi.com/articles/ASP6246YZP62UHBI018.html

2.天安門事件とは?

では、中国政府がデリケートに扱う天安門事件とはどんな事件だったのか?

1989年6月4日、民主化を訴える学生たちが、北京の天安門広場に集結した。きっかけは、民主化運動に寛容だった胡耀邦(こようほう)元党総書記の死(89年4月に死去)。1987年に解任されていた同氏の名誉回復を求める学生たちがデモを起こしたのです。

学生たちはハンストを含む過激な行動で当局に民主化を迫りました。5月20日に北京の一部が戒厳令下におかれ、6月4日には天安門広場にとどまった学生を、軍が厳しく弾圧しました。

現在もなお、6月4日に広場で何が起こったのか、死傷者は最終的に何人にのぼるのか、など真相に不明な点が多数のこされています。

●参考
山川 世界史小辞典(改訂新版)
http://www.historist.jp/word_w_te/entry/042054/

3.百花斉放・百家争鳴

天安門事件の数年前、党総書記にあった胡耀邦は「百花斉放・百家争鳴」を復活させ、民主化を進めようとしました。「百花斉放・百家争鳴」のはじまりは、1950年代までさかのぼります。

1949年に中華人民共和国が成立してから、国内ではさまざまな思想運動が展開されました。中国共産党は1956年、政策を180度転換し「共産党への批判が含まれていても自由な発言を歓迎する」と呼びかけました。これが「百花斉放・百家争鳴」政策です。

国のあり方を変える民主的な政策にみえますが、呼びかけに応じて出された意見は、共産党の存在を疑問視するまでに高まりました。危機感を覚えた党は一転、弾圧を命じます。

55万人もの知識人が職を失い、学校では思想教育が徹底されました。

胡耀邦は今度こそ「表現の自由」によって、改革しようと試みましたが、反発にあい失脚してしまいます。そして、天安門事件のような強権的な政治が繰り返されたのです。

●参考
山川 世界史小辞典(改訂新版)
http://www.historist.jp/word_w_ha/entry/045591/

4.表現の自由を考える

民主主義社会で、何よりも重んじられる権利がひとつあるとすれば、それは言論の自由である。

アメリカン・センター・ジャパン「権利章典-言論の自由」

表現(言論)の自由は、個人の人格形成、自己実現に必要なだけでなく、その他の権利を保証するために欠かせません。

例えば、国家によって不当に搾取されても、声を上げ、正しく批判できれば、事態を改善できます。そのため、他に優先して特別に保護するべき権利なのです。

しかし多くの国の人たちが言論を制限される社会で暮らしています。21世紀の現代でも、表現の自由は当たり前の権利ではありません。

また、日本は憲法で表現の自由を保証していますが、国際的に問題が指摘されているのも事実。

世界各国の「報道の自由度」 日本67位 去年から順位1つ下げる

“日本メディア 独立性に懸念” 国連特別報告者 政府は反論

※本稿は「日本の政府やメディアに問題がある」と主張するものではありません。あくまで論点のひとつとして提示しています。

私たちは、本当に何にも恐れず自由に発言し、国家や権力を批判できる環境にあるか? 折にふれて、見つめ直してみてはいかがでしょうか。


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