Pepperやaiboといった定番から、先月発売したばかりのLOVOTなど、コミュニケーションロボットは百花繚乱の様相。中でも、とてもユニークなスタイルで注目を集めるのが、しっぽのついたクッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」です。
さらなる新型の登場が予想されるコミュニケーションロボット。そのすべてに共通するであろう課題と、解決する可能性のひとつが実証実験で示されました。
4コマで課題解決ストーリー
プレスリリース詳細
コミュニケーションロボットの形や機能はさまざまですが、人の「心」に働きかける点は多くに共通します。
ロボットとの生活をはじめて間もなくは、新鮮さ、おもしろさから、自然とユーザーの心は動くでしょう。問題は時間が経ち、ユーザーが慣れたあと。いかに長く愛され、心を動し続けられるか、はコミュニケーションロボットの大きな課題です。
Qooboを開発したユカイ工学は、介護施設の協力を得て実証実験を行いました。感情や表情の観察に加え、下記の項目に5段階のスコアを付け、「その人がどう変わったか」を定量的に評価しました。
・感情的な反応「怒り」「不安・恐怖」「中立」「喜び」「悲しみ」
・言葉による反応
・視覚による反応
・行動にみられる反応
・他者やグループとしての反応
・動揺・興奮(の軽減)
同社は実験結果を次のように報告しています。
しっぽが動かないQooboとしっぽが動くQooboの高齢者に対する効果を比較した時、総合点ではしっぽが動くQooboによる効果が明らかに高く、人の「心を動かし」、発話や撫でるなどの「行動を促し」、他者との活動と参加を促す契機となっていることがわかりました。
さらに、3週間Qooboを利用し続けた人にもポジティブな効果が持続し、評価の平均値はむしろ上昇傾向にあるといいます。コミュニケーションロボットの課題である「飽き」による効果の低下が、今回の実験では見られなかったということです。
同社が分析するその理由は、
- 何通りものしっぽの動きがあるので新鮮さが持続
- 自分の撫で方に合わせたしっぽの振り方を実感できる
- 特定の動物に限定されないデザインにより、ユーザーが各々のアニマルイメージを想像できる
など。
Qooboのスタイルは、クッションにしっぽが生えているだけ。ロボットに対するイメージはユーザーに委ねられています。シンプルなスタイル、想像をかきたてる体験が、課題解決へとつながったお話でした。
実験のプロセスなど詳しくはプレスリリースをご覧ください。
●プリリース原文
シニアの心を動かすロボット、Qooboの「動くしっぽ」高齢者介護施設で実証。ポジティブ反応効果が長期間継続。
●参考サイト