G7閉幕、民主VS専制が世界の対立軸に!? でも民主主義ってそもそもなに??

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G7サミット=主要7カ国首脳会議が閉幕。主要なテーマのひとつとして、国際社会で存在感を増す中国への対応が話し合われました。

そのなかで、アメリカのバイデン大統領などが示したのが「民主主義 VS 専制主義」の対立軸です。専制主義は中国やロシアが念頭に置かれています。

しかし、中国は以前「中国式の民主主義がある」と主張しています。確かに、彼らも人民のための政治を掲げているはず。上から目線で民主主義をどうこう言われたくない、という気持ちはわかります。

そもそも民主主義の価値観とはなんなのでしょうか? 専制国家とされる国とはどこが違うのでしょうか?

民主主義には多様な要素がありますが、根本的な視点のひとつが「国家権力と国民の人権」です。

国家権力は、税として国民からお金を強制的に徴収したり、死刑によって国民の命を奪うことさえ可能です。強大な権力が、特定の人や機関に濫用されれば、国民の権利が不当に侵されかねません。

そこで、権力をいくつかにわけ、それぞれの機関に担当させ、互いに監視させる権力分立の仕組みが考え出されました。
たとえば立法権、司法権、行政権を分ける三権分立は民主主義国家の基本的な原理。議会の二院制や中央集権に対する地方分権なども権力を分ける仕組みです。

民主主義がいつの間にか専制に陥らないよう、権力が巧みに構成されています。

対して一部の国では、ひとつの機関に国家権力が集中しています。特に社会主義国では、国家の目的を達成するため、人民の代表である議会が広範な権力を握っています。ちなみに中国の場合は、全国人民代表大会(全人代)がこれにあたります。

優れた指導者なら、人民のための政治を行うかもしれませんが、権力の相互監視という点では課題が残りそうです。

日本の民主主義も、権力分立のバランスの上に成り立っており、常に目を光らせていなければ、権力の暴走を許しかねません。

国家権力を抑制し、国民の人権を守る意志や仕組みがどれだけあるか?
民主主義の価値観を測る物差しのひとつです。

●参考
山川出版社
「詳説政治・経済 改訂版」

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