ミャンマーのクーデターからおよそ4カ月。市民の抗議デモと国軍による弾圧が続いている。
ミャンマーの現代史は、軍政と民政のせめぎあいの歴史でもある。一日も早い暴力の停止を願い、私たちにできることを考えるためにも、これまでの経緯を整理しよう。
1886年、イギリス領インドに併合され、第二次世界大戦中は、日本軍に占領されたミャンマー。大戦後の1948年に独立した。
独立後のミャンマーは混乱が続いたが、1962年にネ・ウィンがクーデタで政権をとる。ネ・ウィンは独自の社会主義路線を目指し、半ば鎖国状態で国づくりを進めた。
1988年、民衆の民主化運動が高まり、ネ・ウィン体制は崩れる。しかし、国軍がただちにクーデタを起こして軍政を敷き、民主化はならなかった。
1990年の総選挙では、独立の英雄アウンサン将軍の長女スーチー氏ひきいる国民民主連盟(NLD)が圧勝するも、国軍は選挙を無視して政権にいすわった。民主化勢力は弾圧を受け、アウンサン・スーチー氏は2010年までに、計15年にわたる自宅軟禁に置かれた。
民政移管がなされたのは2011年。テイン・セイン大統領が民主化と経済改革を進めた。2012年の議会補欠選挙では、アウンサン・スーチー氏ひきいるNLDが45議席中43議席を獲得する。
2015年の総選挙ではNLDが大勝。スーチー氏側近のティン・チョウ氏が大統領に就任しし、およそ半世紀ぶりに選挙で選ばれた民主的な政権が発足した。スーチー氏は、国家最高顧問として政治に参加する。
新政権は、民主化の定着、国民和解、経済発展のためのさまざまな政策を進める。2020年の総選挙ネタでも与党のNLDが圧勝したが、国軍は依然として大きな力を保ってきた。
●参考
外務省ホームページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/myanmar/data.html#section1
百科事典マイペディア
https://is.gd/Stta0m