「株価が30年ぶりの高値」「株価急落が懸念される」など、経済ニュースで何かと話題になる株価。そのメカニズムを4コマでおさらいしましょう。
4コマで「株価」
解説
株価は市場で売買されている1株あたりの時価
株価とは、文字通り株式の価格のことです。証券取引所に上場した株式は、証券会社を通じて投資家たちが売買します。株価は他の商品、サービスと同じように需要と供給がつりあったところで値が付きます。
市場で「買い」が多ければ株価は上がり、反対に「売り」が多ければ株価は下落します。問題は、その企業の株式を買いたい投資家がなぜ減ったり増えたりするのか。業績や市場の環境で、企業の株価は変動します。
時価総額は市場での企業価値を反映する
経済ニュースなどでは、企業の「時価総額」がしばしば注目されます。時価総額は、株価×発行株式数の合計です。
株価が高くても株式数が少なければ、時価総額は大きくなりません。あくまで株価だけでみれば、企業規模が大きいとは言えません。反対に株価が低くても、発行株式数が多ければ時価総額は大きくなります。
時価総額は、企業に対する投資家の期待の表れであり、資産や市場での競争力、利益を生む力、将来性などが反映されます。
個々の株式を総合した株価指数は経済を映す鏡
ここまでは個々の企業の株価についてお話してきました。株価指数は市場全体の株価変動を、総合的に表す指標です。代表的な株価指数のひとつが「日経平均株価」。「日経平均」「平均株価」とも言われます。
日経平均株価は、東証第1部市場に上場している銘柄のうち、225銘柄の平均株価を算出したもの。1年に1回、一部の銘柄が入れ替えられます。
国内経済が上向きのときは、企業業績が上がるので、投資家は株式を買って投資を活発にします。つまり、日経平均株価は上がる傾向があります。
反対に、経済が打撃を受けると、投資家はリスクを避けて株式を売ります。2008年のリーマン・ショック、2020年のコロナショックなどの際は株価が急落しました。
実に多様な要因で株価指数は変動する
株価が決定するプロセスは複雑です。国内の景気変動だけでなく、国際情勢、金利の上下、政治や自然災害などが要因となります。
2021年1月現在、コロナ禍で国内経済は深刻なダメージを受けていますが、株価は高値を維持しています。
- 好調な一部製造業の株価が牽引している(すべての株価が上がっているわけではない)
- コロナ禍の影響は株式を上場していないの中小飲食店に集中
- コロナ禍の財政出動で市場に出回るお金が増え株式投資にまわった
などの理由が指摘されています。