批判を浴びる「タイ国王」のそもそも。戦前の天皇と共通点も!?

Pocket
LINEで送る

タイの反政府デモが長期化しています。これまで議論すらタブーとされてきた王室改革を要求し、ワチラロンコン国王への批判を高めているのです。彼らが問題視するタイ国王とはどんな存在なのか? 4コマストーリーをみると、やまないデモの背景がみえてきます。

4コマで「タイ国王」

解説

タイ王国は国王を元首にいただく立憲君主制の国です。現国王は、1782年から続くチャクリー朝第10代のラーマ10世(ワチラロンコン国王)。

タイの王室は、父で前国王のラーマ9世(プミポン国王)を抜きには勝たれません。70年を超える在位中、タイは幾度となくクーデターなどの政情不安に見舞われましたが、プミポン国王は自ら仲裁し事態を収集するなど、社会の安定に大きな役割を果たしました。国民の絶大な支持を集めた国王です。

プミポン国王の時代に構築された政治体制は「タイ式民主主義」と呼ばれます。タイの政治体制は議会制民主主義ですが、国王は強力な権威を持ち、事実上議会の上位に立ちます。

タイの憲法には国王は「神聖不可侵」と記され、軍の統帥権を持ちます。これは、大日本帝国憲法(明治憲法)の天皇と同様です。
タイの憲法はこれまで何度も改廃されてきましたが、国王に関する条項はほぼ変えられていません。

そんな国王に対し、タイの刑法は不敬罪を定めています。王室を中傷、侮辱すると最大15年の禁固刑が課されるという、大変厳しいものです。

今、タイでは反体制派が、不敬罪の廃止を含めた王室改革を求めています。圧倒的カリスマ性を持った前国王ラーマ9世がなくなった今、タイ式民主主義が変革されようとしています。

Pocket
LINEで送る

社会カテゴリの最新記事