CP(カーボン・プライシング)とは? 炭素税と排出枠取引の仕組み

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CO2(二酸化炭素)など温室効果ガスの排出量を削減することが、世界中で求められています。特に日本は、諸外国より環境対策が遅れており、対策が急務です。排出量を抑制する枠組みとして、注目されているのがCP(カーボン・プライシング)です。

4コマでCP(カーボン・プライシング)

解説

各々が自分の利益を求めて競争するのが市場経済の原則。売り手も買い手も、利己的に行動する結果、必要とされる商品がつくられたり、価格が決まったりします。

アダム・スミスの「神の見えざる手」ですね!とても良くできた仕組みです。

しかし、市場のメカニズムだけでは、社会全体に不利益を与えてしまうことがあります。環境問題もそのひとつです。

自分の利益だけを考えて経済活動すると、環境への配慮が二の次になるのはわかります。少なくとも短期的には、いくら環境に負荷をかけても、安くて良いものをつくったほうが、売り手の利益になります。

長期的に考えれば、環境を壊してしまっては経済的にもマイナスです。けれど、人は公共の利益より、どうしても自分の利益を最優先してしまいます。ライバルが環境を破壊しながら安くてよい製品をつくっていたら、自分だけが配慮するのも難しいですね。

たしかに。足並みをそろえるのも大切です。

経済活動と環境保護は、しばしば両立しません。
そこでCP(カーボン・プライシング)が重要になります。「CO2の排出量に価格を付ける」という考え方で、企業は排出量に応じて対価を支払います。

企業にとっては、CO2排出量を減らすことが、自分の利益にもなります。経済と環境が矛盾しません。

カーボン・プライシングの代表的な方法が「炭素税」。CO2の排出量に応じて、決められた税金を支払います。
また、企業ごとにCO2排出量の上限を定め、排出量の過不足を売買する「排出枠取引」制度もあります。排出量が上限を超える企業は、枠内におさまっている企業から排出権を買うことができます。

排出量を増やせば損をして、減らせば得をする仕組みですね。

まとめ

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