物価は景気の動向を知る上で重要な指標のひとつ。今回は「インフレ」を詳しく解説します。
4コマで「インフレ(インフレーション)」
解説
「インフレ」は「インフレーション(inflation)」の略。ある程度の期間にわたって継続的に物価が上昇する現象です。
100円のリンゴが200円に値上がりしたとすれば、インフレの傾向です。物価が上がる=相対的にお金の価値が下がることでもあります。
「リンゴの価格が100円から200円になった」は、裏を返せば「100円の価値がリンゴ1個から半分になった」とも言えるわけですね。
そのとおり。
ゆるやかなインフレは、景気の面からは好ましいとされています。
個人的には物価が上がると困りますが…。
物価が上がると、企業の売上は上がります。企業の活動が活発になり、雇用や労働者の賃金も増えるので、購買力も上がります。すると、商品やサービスが売れて企業がもうかります。
すごく単純に言えば、こうした好循環がうまれます。
また、お金を持っていても、インフレが続けば実質的な価値は下がります。貯蓄や留保ではなく、消費や投資にお金が回るので経済が活発になります。
まあ、収入が増えるなら、物価が上がるのも受け入れられるか。
反対に、賃金の上昇以上に物価が上がってしまうと、実質的な減収です。
それでは、お金を使う意欲がなくなります。
需要がともなうインフレでなければ、経済は停滞してしまいますね。経済的にはゆるやかなインフレ、前年比2%程度の物価上昇が好ましいと言われています。
しかし、ときおり100円のリンゴが300万円になってしまうような、天文学的な物価上昇が起こります。「ハイパーインフレ」と呼ばれる現象です。
物価が3万倍に!? 現実にそんなことが起こるのですか?
ハイパーインフレの有名な事例が、第一次世界大戦(1914〜18)敗戦後のドイツです。5年間で物価が1兆倍になったと言われています。
そりゃもう、経済は大混乱でしょうね。
もちろんです。ドイツの例のように、ハイパーインフレは戦争や革命、さらに極端な国家の財政難などを機に起こります。