日本のGDP、約80年間の推移

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一国の経済規模の目安になるのがGDP(Gross Domestic Product)。国内総生産の指標です。太平洋戦争が開戦した1940年から2016年の約80年間、GDPの推移をチェックしました。

オランダのフローニンゲン大学が公開する「Maddison Project Database」をベースにしています。

4+1コマで日本のGDPの推移

解説

1941年、日本は太平洋戦争に突入し45年に敗戦しました。その年、GDPは前年比でほぼ半減しています。
戦争の甚大なダメージが、数字の上からもよくわかります。

10年かけて、敗戦前の水準に戻しましたね。その後は右肩上がりです。

はい、日本は高度経済成長に入っていきます。1960年に池田勇人内閣が発足し「所得倍増計画」を打ち出しました。公害や都市の過密など、社会問題もありましたが、GDPは10年で本当に2倍に成長しています。
1968年にはGDPで西ドイツを抜き、米国に次ぐ世界第2位になりました。

日本がイケイケドンドンだった時代ですね。

その流れに水を指したのが1973年の第一次オイルショックです。第4次中東戦争をきっかけに、石油の供給不安と価格高騰から世界経済が混乱しました。日本のGDPも、このとき敗戦以来はじめて前年比マイナスとなっています。

とはいえ、その後は右肩上がりで上がっています。特に1987年から数年の伸びは大きいですね。

バブル景気です。株価・地価などの資産に投機目的で買われ、実際の価値以上に高騰しました。
しかし、そんなことは長く続きません。90年代にはバブルが弾け、景気は冷え込みます。

1998年には、オイルショック以来のGDP前年比マイナスがやってくる…。

1997〜98年にかけて、銀行や証券会社など金融機関が相次いで破綻しました。金融危機です。
政府は公的資金を投入して、経済が混乱に陥るのを避けました。

2000年代前半には、持ち直しているように見えます。しかし、2009年に落ち込んでいるのは「リーマンショック」ですね。

そうです。アメリカの投資銀行大手のリーマン・ブラザーズが経営破綻し、金融不安が高まりました。株価が暴落し、世界同時不況を引き起こします。
当然、日本も影響を受け、景気が悪化しました。

しかし、2010年代には着実に回復していますね。

はい。安倍晋三前首相の「アベノミクス」の成果か、日本は戦後最長にせまる好景気となりました。

そんななかで今回のコロナショック…。この後、日本のGDPはどんなふうに推移するのでしょうか?

感染症が収束しないなか、見通しは難しいですが、シンクタンクが予測を出しています。
2020年11月27日の日経新聞では、日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の予測が報じられています。20年度の実質成長率はマイナス5.7%、21年度は3.9%の見通しです。
これまで、日本の経済はなんども危機を迎え、そのたびに回復してきました。今回のコロナショックも乗り越え、再びGDPを上昇させていくに違いありません。

まとめ

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