日本は世界第3位の経済規模を持つ資本主義の国です。しかし、欧米に比べスタートは遅く、その分急速に発展してきました。4コマで歴史を振り返ります。
4コマで日本の資本主義
解説
世界的には、資本主義は産業・社会が大きく変わった18〜19世紀のヨーロッパで発展しました。
日本はまだ江戸時代ですね。
江戸幕府を倒した明治政府の高官たちは、その発足後さっそく欧米を歴訪し、西洋の文明を学びました。日本の資本主義は、他の多くの技術や制度とともに、明治維新を期に導入されたシステムです。
欧米の先進資本主義国と比べると、後発だったわけですね。
はい。日本の資本主義は「上からの資本主義」とも言われ、政府の主導で整備されました。
政府はお雇い外国人として、さまざまな専門家を招聘し、殖産興業を進めます。明治維新から30年ほどで、軽工業で器械生産が普及し、産業革命がなされました。
欧米に比べ遅れていた日本は彼らに学びつつ、国の力を使って経済を発展させたと。
はい。官営工場は国と結びつきの強い政商に払い下げられました。政商は力を付け、後に財閥を形成します。
財閥…。よく聞くワードですが、具体的にはどんな組織だったのですか?
同族経営をベースに、持株会社や銀行などを中心として、さまざまなジャンルへ進出し多角経営をおこないました。成立からして国家権力と密接に結びついたのが特徴。財閥は戦前、戦中の日本経済を牽引しました。
三井財閥や三菱財閥、住友財閥などが代表的です。
三井、三菱、住友系の企業は、いまも存続していますよね。けれど、彼らは財閥ではない…
はい。太平洋戦争後に財閥は解体されました。
戦争に破れた日本は、アメリカを中心とする連合国に統治されます。総司令官のマッカーサーは、巨大企業が国と結びつき、市場を独占する体制が軍国主義につながると考えました。
財閥がなくなっても、日本の経済は発展しましたね。
はい。経済が民主化され、社会が安定すると、1960年代には高度経済成長が訪れます。年平均の経済成長率が10%以上という、今では考えられないような経済発展です。
日本の資本主義は大いに繁栄し、GNPでアメリカに次ぎ世界第2位の経済大国となりました。