資本主義を機能させる「市場経済」をわかりやすく〜4コマでハラオチ「経済」〜

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市場経済のメカニズムを詳しく解説

資本主義経済の特徴のひとつが、「市場がさまざまな過不足やアンバランスを自ら調整し最適化する(デジタル大辞泉)」市場経済です。市場経済の広がりは、社会に大きな変化を与えました。

商品の価格は自然に決まる

完全自由な市場経済の下では、生産者が商品の価格を自由に決めて、市場に参入することができます。ただし、消費者も欲しい商品を自由に買えるので、生産者の思惑通りの価格で、商品が売れるわけではありません。

高い値段をつけると利益は厚くなりますが、たくさん売ることが難しくなります。値段を下げれば、たくさん売りやすい反面、利益は薄くなります。薄利多売というやつです。

必然的に生産者は、利益の総額がもっとも大きくなるよう価格をつけます。特にルールがなくても、自然と価格が決まっていくわけです。

需要と供給のバランスで価格が決まる

その商品を欲しい人がたくさんいれば、つまり需要が多ければ、高い価格で売ることができます。需要が少ない商品は、価格を下げなければ売れません。

商品の供給量も大事です。欲しい人の数(つまり需要)は変わらなくても、商品の数が減ると価格は上がります。反対に需要に対して供給が増えると、価格は下がります。

需要、供給、価格の関係が身近でよくわかるのが野菜です。野菜の収穫は天候など自然条件の影響を受けやすく、悪天候などで不作のときは供給量が著しく落ちます。すると、価格が上がります。

豊作で供給が増えると、価格が下がります。あまりに供給過多になり、野菜の価格が下がりすぎると農家の方がダメージを受け、生産を続けられなくなるかもしれません。そこで、政府が介入し、産地で野菜を廃棄することで供給を減らし、価格を調整することがあります。

市場での自由な競争が社会の利益を最大化する

とても理にかなった需要と供給のメカニズムですが、うまく機能しないこともあります。「独占」の状態です。
商品やサービスを一社だけが供給している場合、消費者はより良い商品を選んで買うことができません。生産者の言い値が通ってしまうので、価格は上がります。

自由競争が機能している状態では、価格を下げるため生産効率を上げたり、品質を上げるための研究を進めたりと、生産者は創意工夫をします。技術改良が進み、社会全体の利益が最大化します。

自由放任の市場経済は世界を豊かにした

資本主義が発展した17〜18世紀、ヨーロッパの国々は「重商主義」という保護経済の路線をとっていました。これに対し、イギリスの経済学者アダム=スミスらは、自由放任の資本主義経済を主張します。

「個々人は私の利益だけを追求して自由競争していくうちに,見えざる手に導かれて,みずから予期しなかった目的,すなわち社会の繁栄と調和を達成することになる(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説)」として、経済への国家の介入を否定しました。

実際に、自由な市場経済のもとで、人類の文明は大きく発展しました。いっぽうで、強い生産者が競争相手を次々と倒し、独占状態をつくることもできました。
競争のない状態が、社会の利益にならないのは前述のとおり。ときに国家が経済に介入し、コントロールすることも必要だと考えられています。

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